繁殖を望まない場合、不妊手術という選択肢があります。オス犬の場合は去勢手術、メス犬の場合は避妊手術です。
こんな不安を解消していきましょう。
Contents
去勢・避妊手術をするメリット・デメリット
オス:去勢手術のメリット
オスが去勢手術をするメリット
- 性的欲求のストレス、メスを追い求めるストレスから解放される
- 他のオス犬への攻撃性が弱まる
- マーキング、マウンティングなどの問題行動※注1が減少する
- 生殖器疾患※注2にかかりにくくなる
メス:避妊手術のメリット
メスが避妊手術をするメリット
- 生理や発情期のストレスから解放される
- 体調や精神状態の安定を維持出来るようになる
- 望まない妊娠を防ぐことが出来る
- 生殖器疾患※注3にかかりにくくなる
オス・メス共通:去勢・避妊手術のメリット
去勢・避妊手術のメリット(オス・メス共通)
- ストレスや病気が軽減され、健康的に長生き※注4出来るようになる
- 発情に関連した問題行動が減ることで、外出時の制約がなくなり快適に過ごせるようになる
- 周囲への迷惑も軽減出来る
- 社会全体として、望まれずに生まれる不幸な犬・遺伝性疾患に苦しむ犬を軽減することが出来る
オス・メス共通:去勢・避妊手術のデメリット
去勢・避妊手術のデメリット(オス・メス共通)
- 手術・麻酔※注5のリスクがある
- あとから繁殖させたくなっても不可能
- 肥満※注6になりやすくなる
動物病院選びは慎重に!事故はゼロではない
去勢・避妊手術は、麻酔を使用する手術ですので事故の可能性がゼロとは言い切れません。時には、医療ミスが起こってしまうこともあります。
そんなことをいわれると「大丈夫かな?」と心配になってしまいますよね。
ですがこれに関しては、「手術である以上、リスクは必ずつくものだ」ということを知っておいた方が良いというだけです。去勢・避妊手術が特別難しいものという訳ではないので、そこまでナーバスにならなくても大丈夫でしょう。
ですので、評判が良く飼い主さんご自身が信頼している獣医さんに手術をお願いすると良いでしょう。麻酔や術後のことなどを分かりやすく教えてくれて、飼い主さんの質問にもきちんと答えてくれるような獣医さんだと安心ですね。
手術をする時期は、性成熟を迎える前が理想的
去勢・避妊手術の病気予防・行動面における効果を最大限に引き出すためには、犬が性成熟を迎える前に手術をすることが理想的です。つまり、オスはマーキングを始める前、メスは最初の発情を迎える前ということです。
個体差がありますが、オスは生後10ヶ月ごろに性成熟を迎え、メスは小型犬で生後7〜10ヶ月ごろ、大型犬で生後8〜12ヶ月ごろに最初の発情期を迎えます。
性成熟目安 ※時期には個体差があります。 | |
オス | 生後10ヶ月ごろ |
メス | 小型犬:生後7〜10ヶ月ごろ 大型犬:生後8〜12ヶ月ごろ |
性成熟を迎える時期を考慮し、生後6ヶ月を過ぎた辺りで獣医さんに相談して、手術の時期を決めることをオススメします。
去勢・避妊手術の流れは?
去勢・避妊手術の大まかな流れです。手順や入院期間などは動物病院によって異なりますので、こちらは参考程度とし、かかっている動物病院に直接確認してみてください。
少なくとも希望日の1週間前までには獣医師に連絡・手術の予約をする。必要に応じてワクチン接種、健康診断を受ける。
手術前日の夕方にごはんを与え、それ以降食べ物は一切与えない。ただし、水を飲ませるのはOK。※動物病院の指示に従ってください
できれば排便・排尿を済ませた状態で動物病院へ向かう。
去勢手術:半日〜1日入院。
避妊手術:最低1、2日入院。(開腹手術のため)
手術から1週間〜10日経過したところで動物病院へ向かい、抜糸をする。※抜糸後1週間はシャンプー不可です
「もっと細かく知りたい!」という方は、かかっている動物病院のホームページを見てみると良いかもしれません。具体的に手術の流れを掲載している場合があります。
去勢・避妊手術の費用について
自治体によっては補助金制度があるので、お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。外部サイトぜんこく 犬猫助成金 リストからも調べられます。
補助の金額は地域によってまちまちですが、大体2,000円〜5,000円ぐらいのところが多いようです。もっと高額な地域、全くない地域もあります。
手術は可哀想なこと?
このような考えが心のどこかにあると、いくらメリットがあるといわれても手術をためらってしまいますよね。実際にこんなふうに思う方は多いと思います。
しかし、
- 発情しても何も出来ない
- 生理時、体調の変化がある(メス)
- 発情した時に行動が制限される
というようなことは、犬にとって想像以上に大きなストレスがかかっています。
これは、「成犬になってからはずっと発情期のストレスと戦うことになる」ということを意味しています。そう考えると、交配させる気がないのに生殖本能を残したままでいるのは、犬にとって手術よりもずっと残酷なことなのではないでしょうか。
それに加え、犬の飼い主さんなら知っていると思いますが、日本では毎年たくさんの命が殺処分されているという現実があります。不幸なわんちゃんをゼロにするためにも、去勢・避妊手術について飼い主さんがしっかりと向き合って、考えなくてはなりませんよね。
- 日々のストレス・負担が大きい
- 殺処分が多い
これらのことを考えると、「手術が可哀想だ」と一概にはいえないのではないでしょうか。
さいごに
色々思うことはあると思いますが、最終的に去勢・避妊手術をするかどうか決めるのは飼い主さんです。愛犬にとって何が幸せかを考え、正しい決断ができると良いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました🐩💕
少しでも参考になったら嬉しいです。