今回は「犬のしつけ」の目的と種類についてお話します。
しつけには様々な方法がありますが、ただ闇雲にそれらを試してもうまくはいきません。
しつけを成功させるためには、まず「どんな目的でどんなしつけをするのか?」を理解して、しつけに対して正しいマインドを持つことが大切です。
この記事では、そんなお話を詳しくしていきますのでぜひ確認してみてくださいね。
- しつけに行き詰まっている方
- これからしつけを始める方
- しつけを始めたばかりの方
「犬のしつけ」とは?
しつけの目的
まずは、犬のしつけの目的を改めて確認しておきましょう♪
「しつけの目的」は以下の通りです。
人と犬とが ① 快適に ② 安全に ③ 楽しく、幸せに 暮らすために、必要なルールやマナーを教えること!
例えば、「トイレ」を覚えていれば、日常生活が ①快適 になります。
「まて」などの指示語を覚えていれば、いざという時に愛犬の身を守れて ②安全 ですよね。
また、きちんとしつけられた犬は周囲から受け入れてもらいやすいため、行動範囲が広がりたくさんの思い出を作れるでしょう。
つまり、 ③楽しく、幸せに 暮らせるということです。
ここから、しつけは犬にとっても都合がイイものだとわかりますよね。
人と犬の双方がメリットを得るために、必要なルールやマナーを教えることが「しつけ」というわけです。
「服従させるため」「犬本来の習性(吠える・噛む)を無理矢理やめさせるため」というのは、犬にとってはなんのメリットもなく、しつけの本来の目的から乖離しています。
しつけの目的を履き違えないで!
さて、時々こんな飼い主さんを見かけます。
悪い行いをしたら、とにかく叱って恐怖心で飼い主に逆らえない犬に育てよう。
吠えたり噛んだりしたらおしりを叩けばいいでしょう?
犬の習性は無理矢理矯正しないと直らないわ。
このようなマインドを持つことは、「犬のしつけ」では良いこととされません。
これではしつけの目的が「犬を無理矢理支配すること」になっているからです。
このように目的を履き違えると「信頼関係を築くこと」ができず、愛犬が問題行動を起こす原因にもなり得ます。
大切なのは、犬の習性や性質を理解し彼らの個性を尊重することです。
一緒に暮らす家族としてお互い心地よく暮らす方法、無理なくルールを覚えてもらう方法を工夫することがポイントです。
それを理解している飼い主さんなら、目的を履き違えることはないはずです。
叱らなくてもルールを覚えてもらう方法がないか、まず考えてみましょう!
「犬のしつけ」の種類は?
犬のしつけは、大きく分けて2種類です。
- 基本のしつけ
- 指示語トレーニング
①基本のしつけ
まず1つめは、「基本のしつけ」です。
これは、「信頼関係(注1)」「主従関係(注2)」を築くしつけで、例を挙げると以下の通りです。
- ハウス(指示通りハウスに入る)
- タッチング(体を触らせる)
- アイコンタクト
注1「信頼関係」について
犬と暮らすうえで、「信頼関係」を築くことはとても大切なことです。
愛犬が飼い主さんを信頼することで、恐怖心や警戒心などからくる様々な問題行動を防ぐことができるでしょう。
注2「主従関係」について
「主従関係」というのは、愛犬が飼い主さんに素直に従う関係のことを指しています。
犬は元々群れで生活し、リーダーに従って行動していました。
人の世界でもうまく主従関係を築き、家族が頼れるリーダーであることを教えてあげれば、愛犬は安心して暮らせるでしょう。
ちなみに、この時「家族のうちの誰か1人のいうことしか聞かない」のでは、いざという時に困りますよね。
ですので、誰もがコントロールできるよう家族全員が「頼れるリーダーの3ケ条」を守って接してください。
1. 人のほうが優先
犬の世界に習って、リーダーである人のほうが何事も優先。ゴハンを食べる時も、道を歩く時も常に人が主導権を握ること。
2. 要求吠えに応じない
「吠えれば要求に応じてくれる」と思わせてはいけない。犬がハウスの中で吠えたり、散歩やゴハンを催促しても無視すること。
3. 勝手に高い場所に乗らせない
ベッド・ソファなど、高くて快適なところはリーダーである人の居場所。勝手に乗らないようにすること。ただし、人が座った後に来させるのはOK。
似ている言葉で「服従」がありますが、こちらは支配的な意味合いが強く、「犬のしつけ」にはふさわしくありません。
②指示語トレーニング
2つめは、「指示語のトレーニング」です。
こちらは、信頼関係を深めながら「楽しいコミュニケーション(注3)」になるしつけです。
また、飼い主さんが「愛犬をコントロールする(注4)」ために重要なしつけともいえます。
- オスワリ
- マテ
- オテ
- フセ
- オイデ など
注3「楽しいコミュニケーション」について
犬にとって、「リーダーに褒められる」というのは嬉しいことです。
指示語トレーニングを通して沢山褒めてあげることで、信頼関係が深まり楽しいコミュニケーションになるでしょう。
注4「愛犬をコントロールする」について
例えば、「まて」などの指示語で愛犬をコントロールできると、いざという時に愛犬の身を守ることができます。
「ドッグランで相性の悪い犬に向かっていってしまった時」などに役立つでしょう。
さいごに
今回は「犬のしつけ」の目的と種類についてお話しました。
最後に重要ポイントのおさらいです。
人と犬とが ① 快適に ② 安全に ③ 楽しく、幸せに 暮らすために、必要なルールやマナーを教えること!
- 基本のしつけ
→信頼関係・主従関係を築く - 指示語トレーニング
→信頼関係を深め、楽しいコミュニケーションになる
しつけには様々な方法がありますが、ただ闇雲にそれらを試してもうまくはいきません。
しつけを成功させるためには、まず「どんな目的でどんなしつけをするのか?」を理解して、しつけに対して正しいマインドを持つことが大切です。
ぜひ、今回ご紹介した内容を頭の片隅に入れておいてくださいね。