今回は、「しつけの心構え」についてお話します。
犬を飼うと決めた多くの人が「しつけを頑張るぞ!」と覚悟を決めますが、
いざ飼うと想像以上に大変で、うまくいかないことも多く疲れてしまうものです。
そんな時は「しつけの目的は何か」を改めて考えたり、心構えを持つことが大切です。
というのも、犬のしつけがうまくいくか否かは飼い主さんの気の持ち方の部分が大きく関係しているからです。
そう言われると「気持ちの問題なの?」と突っ込みたくもなるかもしれませんが、
実際に、飼い主さんの気持ち次第(心構えをしっかり持っているか)で
愛犬への接し方にも変化がでてしつけがうまくいく、ということがよくあるんです。
こんなふうにしつけに苦労している方は、ぜひ目を通してみてくださいね。
Contents
しつけの心構え10カ条
さっそく、しつけの心構え10カ条を順番に見ていきましょう。
1. はじめが肝心というのを忘れないこと
犬のしつけは、はじめがとっても肝心です!
子犬の頃に身についてしまった悪い習慣などは後から修正するのが難しくなります。
例えば、よくあるのが甘噛み。
「噛まれてもそんなに痛くないし…」と子犬の頃に甘噛みを許していると、
犬は人や他の犬の肌を噛むことに全く抵抗がなくなってしまいます。
むしろ、「噛んでも良いんだ♪楽しい♪」と勘違いしてしまうでしょう。
その結果、成犬になった時に強い力で相手を噛むようになってしまうのです。
人間の子供くらいの知能があるとはいえ、一度勘違いするとなかなか修正できません。
してはいけないことは、犬を迎えたその日から教えていきましょう!
2. 教える項目の優先順位を考えること
犬のしつけでは、教える項目の優先順位を考えましょう。
最近、テレビやSNSを通して変わった芸をする犬を見かけることが増えましたよね。
それを見て「早くウチの愛犬にも面白い芸を覚えさせたい!」と考える飼い主さんは沢山いると思います。
たしかに、子犬のうちから「おすわり」「まて」をはじめとする、様々な芸(指示語)を教えていくこと自体には問題ありません。
ですが、犬のしつけで一番優先すべき項目は日常生活でのマナーや社会化※注です。
1でもお伝えしましたが、
子犬の頃に身についてしまった悪い習慣などは成犬になってからの修正が難しいため、
これらは早いうちからトレーニングを行う必要があるのです。
芸(指示語)を教えるのは成犬になってからでも遅くはありません。
日常生活でのマナーや社会化のしつけがおろそかになっているようなら、
一度しつけの優先順位を見直しましょう。
※注
社会化:生後3〜16週齢に犬を様々な環境へ慣れさせること
3. 愛情を持って接すること
いつでも愛情を持って接しましょう♪
しつけに苦労すると、「もうこの子ヤダ…」という気持ちになることもあると思います。
夜泣きが続いて寝不足になってしまったり、トイレの失敗が続いたり…。
ですが、そんな時こそ愛犬に対して愛情を持って接してあげてください。
しつけは本来、犬と家族が楽しく幸せに暮らすために行うものです。
愛情を注がれて楽しく過ごした犬は、飼い主さんのことが大好きになり、
大好きな飼い主さんのいうことならおのずと聞くようになっていきますよ!
ただし、甘やかすことと愛情は別もの。ダメなことは「ダメ」と伝えましょう。
4. 心に余裕を持って接すること
心に余裕を持って接しましょう♪
私たち人間にもいえることですが、ものごとを覚えられるスピードというのは、犬によってそれぞれ異なります。
ですので「他の犬と比べてこの子は…。」と比べたり、焦ったりするのはNGです。
うまくいかない時に感情的に怒鳴ったり落ち込んだりするのも、犬と飼い主さんのストレスになってしまうだけです。
しつけは本来、犬と家族が楽しく幸せに暮らすために行うものでしたよね。
だから、決して急ぐ必要はないのです。
愛犬の個性を尊重して、ゆっくりと必要なことを教えていければそれで合格です。
心に余裕を持って、愛犬の成長過程を楽しみながらしつけを行いましょう!
5. 家族間でルールを共有すること
家族間で、しつけのルールを共有しましょう♪
「何をどのレベルまで覚えさせるのか」というのは、住んでいる環境や生活スタイルなどによって異なります。
例えばマンション住まいの犬は、共用スペースでマナーを守ることが必須ですよね。
犬が苦手な人も住んでいるため、走り回ったり無駄吠えしたりするのはNGです。
そういったしつけのルールを家族間で細かく話し合い、共通の認識を持つことが大切です。
同じことで「パパは許してくれるのにママには叱られる」というのでは、犬は混乱してルールを覚えることができません。
名前の呼び方、褒め方、指示語は、家族みんなで同じものを使いましょう。
6. はっきりした態度で接すること
気分次第で態度を変えないようにしましょう。
飼い主さんの気分によって叱る時と叱らない時があるというのも、犬が混乱してしまう原因のひとつです。
ヒステリックに怒鳴るようなしつけも逆効果です。
犬が混乱しないように、いつでもはっきりした態度でルールを教えてあげましょう。
7. 体罰を与えないこと
体罰は絶対にダメです!
「犬は痛い思いをしないとルールを覚えない」という人がいますが、
そういう考えを持っている場合はすぐにでも改めましょう。
体罰は犬に強い恐怖心を与えるだけで、しつけとはいえません。
信頼関係を壊してしまうという大きな弊害もあります。
せっかく望まれて我が家にきた犬なのに、「飼い主さんこわいよ…。」といつも怯えて過ごさなければならないのは可哀想ですよね。
威圧的な態度でいうことを聞かせる・体罰を与えるのは絶対にやめましょう!
8. 使いこなせない道具を使わないこと
犬のしつけでは、使いこなせないしつけの道具は使わないようにしましょう。
ひとつの例ですが、訓練の道具としてチョークカラーがあります。
これは犬がリードを引っ張ると首を圧迫し、「してはいけない」の合図を送れる物です。
こういう物は技術のある訓練士向きであり、知識のない飼い主さんが使うと犬の首を締め付け、気管を痛めてしまう危険があります。
本来、家庭犬のしつけに訓練士が使うような道具は必要ありません。
どうしても使いたい場合は、必ずプロの訓練士から指導を受けましょう。
9.主従関係を築くこと
主従関係を築きましょう♪
主従関係というのは、愛犬が飼い主さんに素直に従う関係のことを指しています。
似ている言葉で「服従」がありますが、こちらは支配的な意味合いが強いので「犬のしつけ」にはふさわしくありません。
犬は元々群れで生活し、リーダーに従って行動していました。
人の世界でもうまく主従関係を築き、家族が頼れるリーダーであることを教えてあげれば 愛犬は安心して暮らすことができるでしょう。
ちなみに「家族のうちの誰か1人のいうことしか聞かない」のでは、いざというとき困ります。
誰もがコントロールできるように、家族全員が以下の3ケ条を守って接していきましょう。
頼れるリーダーの3ケ条
1. 人のほうが優先
犬の世界に習って、リーダーである人のほうが何事も優先。ゴハンを食べる時も、道を歩く時も常に人が主導権を握ること。
2. 要求吠えに応じない
「吠えれば要求に応じてくれる」と思わせてはいけない。犬がハウスの中で吠えたり、散歩やゴハンを催促しても無視すること。
3. 勝手に高い場所に乗らせない
ベッド・ソファなど、高くて快適なところはリーダーである人の居場所。勝手に乗らないようにすること。ただし、人が座った後に来させるのはOK。
10. できたらすぐに褒めること
できたらすぐに褒めてあげましょう♪
愛犬のダメな行動ばかりに目がいき、つい叱ってばかりいる飼い主さんは多いものです。
しかし、それでは愛犬との信頼関係を築くことができません。
犬に何かを教える時は褒めることが大切で、詳しくは以下の方法が効果的です。
- 犬がいい行動を取るよう、飼い主さんが導く
- できたらすぐに褒めてあげる
ちなみにこの時の褒め方が重要で、飼い主さんが褒めているつもりでも犬が「褒められている」と感じていない場合があります。
それでは残念ながらせっかく褒めてあげても意味がありませんよね…。
ですので飼い主さんは、愛犬に伝わる褒め方を知っておく必要があります。
例えば「愛犬の1番好きなおやつをあげる」というのは効果的な褒め方の1つです。
犬が喜ぶ方法で褒めていると、上達スピードが上がっていきます♪
さいごに
今回は、「しつけの心構え」についてお話しました。
犬のしつけというのは大変ですが、飼い主さんなら誰もが通る道です。
心構えを持ち、愛犬とじっくり向き合って頑張りましょう♪
最後まで読んでいただきありがとうございました🐩💓
少しでも参考になったら嬉しいです!